人生③

仕事の話から少し学生生活の話へ戻りますが、この頃に高校を卒業します。

私が選んだ道は大学へ進学せず、自分の好きなことをやるということでした。

音楽が好きで、音楽で食べていきたい!そう思い、フリーターをしながらボイストレーニングに通っていました。

バンドもいくつか組みましたし、ライブもよくしました。

「好き」という気持ちだけで走り続けていたのですが、レコーディングをして自分の歌を聴き、ライブの映像を見たりしているうちに「私の声は歌うたいの声ではないのではないか」と思うようになりました。

それでも歌うことは好きだったし、下手の横好きでもいいじゃないか!と開き直ってライブをしていましたが、私にはもうひとつ欠点がありました。

それは極度のあがり症なこと。何度もステージに立つうちに慣れるのではないかと思っていましたがそうはいかず。

だんだんとライブをする数も減っていきました。

相当悩んだ末にボイストレーニングを辞めることにした私は、この頃あたりにレコード屋でのアルバイトを始めることになります。

 

当たり前といえば当たり前なのですが、そこは音楽好きの集まる職場でした。

そこではまずレジ係を担当した後、MOVIE/ASIA/MAGというジャンルに異動になりました。

その中でも私はMAG(マガジン)を担当していたのですが、このジャンルのいいところは浅く広くいろいろなジャンルの仕事ができるところでした。

J-POPと比べて入荷数も少ないジャンルでしたので、一通り自分の作業が終わるといろいろなジャンルの仕事を手伝っていました。

ブースごとにお客様からの問い合わせの内容も変わってきますし、代わり映えのある毎日でしたので楽しく、そしてやりがいの感じられる仕事でした。

 

そして特に印象に残っていることがあります。

それは、あるアーティストの新譜の展開(ポップ作りなど、そのアーティストの商品を売るための販促物を作ること)を任されていた時の事です。

みんなが驚く超大作を作ろうと意気込んだ私は、何週間も前から制作に取り掛かり、思った以上のものができました。

スタッフからもお客様からもいい評価をいただき、それだけでも十分嬉しいのにこの話には続きがあります。

その新譜の発売週に、なんとアーティストご本人が来店したのです。

そして私が作った展開を見て、絶賛してくださったのです!

周りの反応だけでも十分嬉しかったのに、思わぬサプライズでした。

しっかりとお話もさせていただいて、この上ない幸福感を味わうことができました。

すごく貴重な体験をさせていただけたことに感謝しています。

 

そこから東京での就職活動を始めようとしますが失敗。

私は現在在籍しているイベント会社で働くことになりました。

そこでは同世代の女の子が多かったのですぐに打ち解け、楽しく仕事をすることができました。

声も出さなければならないですし、トラックへの搬入作業などもあるので体力仕事です。

それでも仲間がいるおかげで、励ましあいながら頑張ることができました。

 

今まで経験した仕事で私が感じたことがあります。

それは「私自身も楽しむ」ということです。

仕事をしている以上は何か(商品やサービス)を提供していることに変わりはないのですが、機械のように淡々とこなしているだけではつまらないのです。

だから私は常に「楽しいこと」を考えながら仕事をしています。

「自分がされて嫌なことは人にしない」

この言葉は幼い頃から母に言われ続けた言葉です。

この言葉を言い換えるならば、「自分がされて嬉しいことを人にする」なのです。

仕事に限った話ではなく、人間関係を築く上でもこれは大事であると感じます。

発言する前に、行動を起こす前に一呼吸おいて、相手の立場になって考えてみる。

時には冷静になることを忘れ、発言・行動してしまうこともあるかもしれません。

でもこのことを頭の片隅にでも置いておけば後で振り返るきっかけになります。

小学生の時に道徳の授業で習った、当たり前のようなことを忘れている人が多いように感じます。

私は人の痛みに敏感でありたい。幼い頃からそういう精神を叩き込んでくれた母には感謝しています。

もし自分が母親になったときも自分の子供に同じことを教えてあげたいです。

 

気づけば書き出してから5000字を突破しました。

ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。

興味のない話や、読みづらい部分もきっとあったと思います。

音楽をやっていたくらいなので語りたがりなのです。まだ書けと言われればいくらでも書けます。

今回は「今までの人生」をテーマに書き進めていったので、これも私のひとつの「伝記」なのでしょう。

少し恥ずかしくなる気もしますがたまに読み返してみたいと思います。

夢中になって、楽しくここまで書くことができました。

こんな機会を与えてくださってありがとうございました。